相続税とは、亡くなった方(被相続人)から財産を相続した際、その取得した財産の価値に応じて課される税金です。
遺産総額が一定の基準を超える場合に申告と納付が必要となります。
相続税の種類
遺産をどのように分けるか、主に以下の3つの方法があります。
遺言書による相続
遺言書がある場合、遺言書に従い相続財産を配分します。
遺産分割による相続
遺言書がない場合や、遺言書で指定されていない財産がある場合、相続人で話しあって相続財産を配分します。
法定相続
遺言書がなく協議も行わない場合などに、民法で定められた割合(法定相続分)に基づいて相続財産を配分します。
法定相続人とは
法律上、財産を受け取る権利を持っている人を「法定相続人」と呼びます。
配偶者は常に相続人となり、それ以外の親族(子、父母、兄弟姉妹など)は優先順位(順位)に従って相続人となります。
相続税の計算(基礎控除の算出など)において、法定相続人の人数は重要な基準となります。
- 配偶者 配偶者は常に法定相続人となります。
- 第1順位 子ども(亡くなっている場合は孫)
- 第2順位 子どもや孫がいない場合は父母(父母が亡くなっている場合は祖父母)
- 第3順位 第1順位、第2順位の人が誰もいない場合は兄弟姉妹(亡くなっている場合は甥・姪)
相続税の計算方法
相続税は、以下の5つのステップで計算を行います。
- 相続財産総額の算出 相続人ごとに「プラスの財産」+「みなし財産・生前加算分」−「マイナスの財産(債務・葬式費用)」を計算します。
- 課税対象額の集計 相続人全員が受け取る「財産の合計額」を算出します。
- 課税遺産総額の算出 「財産の合計額」から基礎控除額「3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)」を差し引きます。(※この時点で0以下になれば相続税はかかりません)
- 相続税総額の計算 「課税遺産総額」を一旦、法定相続分通りに分けたと仮定して、それぞれの金額に相続税率(10%〜55%)をかけて税額を計算し、全員分合算して、家族全体で納める「相続税の総額」を決定します。
- 各人の納付額の決定 実際に相続した財産の割合に応じて税金を割り振り、各個人の税額控除などを適用して最終的な納付額を決定します。
相続税計算における「人数」の注意点
相続税の基礎控除額「3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)」を算出する際、以下の特殊なルールがあります。
- 相続放棄をした人がいる場合 「相続放棄がなかったもの」として、放棄した人も法定相続人の人数に含めて計算します。
- 養子がいる場合 過度な節税を防ぐため、カウントできる養子の人数に制限があります(実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人まで)。
遺留分
遺留分とは一定の相続人が最低限受け取れる財産を指します。
たとえば遺言書によって特定の人物だけに全財産が相続されると記載されていても、法定相続人は遺留分として、最低限受け取れるよう法律で保障されています。
- 配偶者・子どもが相続人になる場合・・・相続財産の2分の1
- 直系尊属(父母、祖父母、曾祖父母)のみが相続人になる場合・・・相続財産の3分の1
- 兄弟姉妹が相続人になる場合・・遺留分はありません。
※子供など複数いる場合は、人数で更に均等分割する。
配偶者の税額軽減(配偶者控除)
残された配偶者の生活保障や、夫婦共同で形成した資産であることを考慮し設けられた軽減制度です。
配偶者が相続した財産のうち、「1億6,000万円」または「配偶者の法定相続分」のいずれか多い金額までは相続税がかかりません。
たとえば、相続財産が4億円、相続人が配偶者1人、子2人の場合、配偶者の法定相続分は1/2(2億円)となるため、2億円までの相続であれば配偶者分の相続税は0円となります。
相続税の申告期限と提出先
相続税の申告および納付には、厳密な期限が定められています。
- 申告・納付の期限 被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から「10か月以内」
- 提出先 被相続人(亡くなった方)の死亡時の住所地の所轄税務署
期限を過ぎてしまうと、無申告加算税や延滞税といったペナルティ(追徴課税)が発生する可能性があるため、早めの準備が必要です。
相続税に関するよくある質問(FAQ)
- Q. 遺産総額が基礎控除以下の場合、税務署への申告は必要ですか?
- A. いいえ、特例(配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など)を使わずに基礎控除以下に収まる場合は、申告・納税ともに不要です。
- Q. 借金や葬儀費用は相続財産から差し引けますか?
- A. はい、借入金や未払金などの「負債」や、通夜・本葬にかかった「葬儀費用」は、相続財産の総額から控除することができます。
- Q. 自分で申告するのが難しい場合はどうすればいいですか?
- A. 相続財産の評価(特に不動産や非上場株式など)や税額計算は複雑なため、税務の専門家である税理士へ相談することをおすすめします。